行政書士って何する人?

これが本当に最初の投稿になるのかもしれませんね。

最初は補助金についてでも書こうかと思ったのですが、そもそも「行政書士って何する人よ?」ということが明らかにならないとお仕事をご依頼いただけないと思いまして、「行政書士って何する人?」というタイトルで、日本行政書士連合会以下日行連」)のホームページを参考に行政書士の説明をしようと思います。

行政書士のお仕事3つ

日行連のホームページによりますと行政書士のお仕事は大きく次の3つに分けることができます。

・「官公署に提出する書類」の作成とその代理、相談業務
・「権利義務に関する書類」の作成とその代理、相談業務
・「事実証明に関する書類」の作成とその代理、相談業務

です。

そういえば、20年ほど前のマンガで、後にドラマ化もされた「カバチタレ!」という作品は行政書士を描いたものです。

が・・・、

あの作品はちょっとドラマチックすぎますねぇ。

「官公署に提出する書類」の作成とその代理、相談業務

「行政書士は、官公署(各省庁、都道府県庁、市・区役所、町・村役場、警察署等)に提出する書類の作成、同内容の相談やこれらを官公署に提出する手続について代理することを業としています。その書類のほとんどは許可認可(許認可)等に関するもので、その数は1万種類を超えるとも言われます。」(日本行政書士連合会 行政書士の業務 https://www.gyosei.or.jp/info/service

これは、身近なところで言いますと、行政書士は、飲食店を開業したいから飲食店の営業許可を取る相談を受けて申請書類を作って代わりに提出する。というのがわかりやすいかもしれません。

他には飲み屋さんを開く、建設業の免許を取る、産業廃棄物事業者の免許を取る、建設現場などで道路に足場を組まなければならなくなった場合の道路の占用許可などありますが、なにせ「その数は1万種類を超える」ので挙げればキリがないです。

補助金申請もここに分類されますかね。
厳密には補助金申請の代理というのは制限されていたりしますが。

聞いたところでは、投資関連のアドバイスをするための金融免許の取得、というものもあるそうで、それを専門にされている行政書士さんもいらっしゃるとのことです。

また、行政書士の中でも特定の研修を修了し、試験に合格すると「特定行政書士」として、「許認可等に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において当該官公署に対してする行為について、高い専門性を持つ行政書士が代理すること」ができます(日本行政書士連合会 行政書士の業務 https://www.gyosei.or.jp/info/service)。

「権利義務に関する書類」の作成とその代理、相談業務

「行政書士は、「権利義務に関する書類」について、その作成(「代理人」としての作成を含む)及び相談を業としています。」そして、「権利義務に関する書類」というのは、権利の発生、存続、変更、消滅の効果を生じさせることを目的とする意思表示を内容とする書類」です(日本行政書士連合会 行政書士の業務 https://www.gyosei.or.jp/info/service)。

なんだか難しくなってきましたが、契約書とか遺産分割協議書などの作成ということです。

あとは、会社など法人を設立する際に作らなければいけないその法人の定款の作成もここにあたります。

マンションを買うときにサインする売買「契約書」とか、車を買うときにお金を借りる金銭消費貸借「契約書」とか、そういうのをイメージしてもらえるとわかりやすいかと思います。

あ、契約というと大げさに聞こえるかもしれませんが、私達が普段生活をしていてコンビニでする買い物もすべて売買契約にあたります。

「事実証明に関する書類」の作成とその代理、相談業務

「行政書士は、「事実証明に関する書類」について、その作成(「代理人」としての作成を含む)及び相談を業としています。 」ここで、「事実証明に関する書類」とは、「社会生活に交渉を有する事項を証明するに足りる文書」のことです(日本行政書士連合会 行政書士の業務 https://www.gyosei.or.jp/info/service)。

えっと・・・、まだわかりにくいですね。

つまり、図面とか、議事録とか、会計帳簿のことです。

ここで「?」、「会計帳簿?」と思った方も多いと思いますが、確定申告などの税務代理が税理士さんのお仕事で、帳簿への記帳やそれに伴う損益計算書、貸借対照表等の財務諸表の作成「まで」なら行政書士もできることになっています。

「会計の世界史」(田中靖浩(2018)日本経済新聞出版「会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語」)という本によると、あのレオナルド・ダ・ヴィンチのお父さんは代書人という職業で、その仕事の中には会計帳簿をつけるということもあったようです。行政書士もしばしば代書屋と呼ばれます。きっと大昔に文字や文書の書き方がわからない人が多かった時代の名残でしょう。今でも高齢の行政書士さんの看板には業務として「代書」と書かれていたりします。

終わりに

以上、長くなりましたが行政書士はこんなことをする職業です。

よく司法書士さんとも混同されがちなのですが、ざっくりと、司法書士さんは登記など法務局へ出す書類を作る、行政書士は行政へ出す書類を作るということになります。

じゃあ、「行政って何よ?」とならなくもないですが、それは難しい学術的話なので気が向いたらブログに書きます。

そういえば、行政書士に特有の仕事で自動車の登録なんてのもありますが、これはどこに分類されるんだろう?

大谷 常雄